まず大前提としてここでいう”自立”は「経済的な自立」だけでなく「精神的な自立」の意味も含めます。
というよりここではお金の話はしません。
自分の意思で決定し行動する「精神的な自立」を育てるための3つの柱と3つのコツを紹介します。
僕は「経済的な自立」と「精神的な自立」の両方を合わせて『ほんとうの”自立”』と呼んでいます。
『ほんとうの”自立”』とは何か?については下記の記事で説明しています。
前置きはいいからはよ!
オッケー!それじゃあ早速3つの柱からいこう!
”自立”を育てる3つの柱「機・尊・援」
”自立”を育てるための3つの柱は次の通りです。
- 子どもに決断の機会を与えること
- 子どもの決断を尊重すること
- 子どもの決断を援助すること
”自立”を育てるためにはとにかく子どもに自分の意思で決めさせることが重要です。
子どもに決断の機会を与えること
まず何よりたくさん経験するのが一番です。
自分の意思で決めたり行動したりすることは、当たり前ですが自分でしか決められません。
その能力を育てるためには、繰り返し自分で決断するしかありません。
ずっと言われたことをやっているようでは大人になっても言われたことしかできなくなります。
そのために、子どもに決断の機会を十分与えるように心がけましょう。
決断というと何か重大なことを決めているようですが、そこまでヘビーに考える必要はありません。
「自分で決める」というだけです。
日常生活の中にもたくさんの機会があります。
- 服装
- 出かける準備
- 勉強のタイミング
- 寝る時間
- 疑問に対する解答
簡単なことだからこそ、何気なく親が選んでしまっていることって多いです。
特に忙しいときはパッと親が答えを言ってしまうものです。
”自立”は少しずつしか育っていきません。
1回でも多く自分で選ぶ機会を与えて、経験を積み上げることを心がけましょう。
子どもの決断を尊重すること
せっかく自分の意志で決めたのに、大人によって意見を変えられてしまったら?
きっと子どもは自分で決めたことが間違いだったのだと思うでしょう。
大人が選んだほうが正しい、大人の言うことに従うのが正しいと思うようになるでしょう。
それでは一向に“自立”できません。
“自立”を学ぶ上では、成功や失敗に注目する必要はありません。
たとえ失敗したとしても「自分で決めても良いのだ」と思うことのほうが大事です。
心配になることもありますが、親は子どもを信頼して子どもの決断を尊重して、しっかり見守ってあげることが大切です。
子どもの決断を援助すること
子どもの決断を尊重したら、次はその決断を援助しましょう。
しっかり援助することで安心して見守ってやることができます。
ただしあくまで援助です。答えを教えてはいけません。
たとえばイギリスに「馬を水辺まで連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない」ということわざがあります。
この場合馬を水辺まで連れていくことが援助です。あとは馬がどうするか決定します。
将来の夢を探したいと言ったら、いろんな経験をさせる。
犬を飼いたいと言ったら、犬と触れ合える施設に行く。犬をレンタルする。保健所に行く。
こういうことが援助です。
将来の夢のためにネットで職業の羅列を見せる。
犬を飼うことはこんなに大変なんだよと伝える。
こういうのは援助ではないですよね。
親の考えを単純に回答してしまっており、子どもの決断を尊重できていません。
つまり援助とは、子どもの決断を実現するために必要な環境を整えることです。
とにかく子どもが自分で決めることが重要ってことやな。
そう!そしてたくさん自己決定の経験をさせることが大切!
”自立”を育てるための3つのコツ
“自立”を育てるための3つの柱「機・尊・援」を行っていく上で、意識すべき3つのコツは以下の通りです。
- 選択権を放棄しよう!
- YesやNoで答えないようにしよう!
- 失敗を見守ろう!
選択権を放棄しよう!
「子どもに決断の機会を与える」ためのコツです。
先ほど「子どもに決断の機会を与えること」で出てきた例をおさらいします。
- 服装
- 出かける準備
- 勉強のタイミング
- 寝る時間
- 疑問に対する解答
親がつい決めてしまいがちなことばかりです。
しかし日常生活でごく普通に行うことだからこそ、子どもに決断させることで何度も”自立”を育てる機会が得られます。
そのために親が意識すべきことは「これは親が決めなくてもいいな」と選択権を放棄してしまうことです。
その時に「それくらい自分で決めなさい」と指示口調で言うのは控えましょう。
「親に言われたから決めた」と思われてはせっかくの機会が台無しです。
YesやNoで答えないようにしよう!
これも「子どもに決断の機会を与える」ためのコツです。
子どもが判断すべきことをYesかNoで答えることは、子ども自身が決めることを放棄することになるので避けたいところです。
「友達の家に遊びに行ってもいいか」「おやつを食べてもいいか」などは子ども自身が決めるように促しましょう。
YesかNoで答えていると親の許可がないと行動できない子になってしまいます。
『それは自分で決めていいんだよ』と伝えることが大切です。
ただし大人でなければ判断できないことは除きます。
たとえば、水槽の中にいる金魚を「触っていい?」と聞いてくることがあります。
まず触ってもいいかどうか考えてもらうのですが、きっと「触ってはいけない」理由が見当たらないでしょう。だから触ろうとします。
その時は大人が「触ってはいけないよ」とNoで答えてあげましょう。
もちろん、なぜ触ってはいけないのかは説明してあげる必要があります。
子どもが金魚を触ってはいけない理由が見つからないのは、ただ単に「金魚は触ることでダメージを受ける」という事実を知らないだけです。
子どもは触られたって不快に感じることはありません。
家で飼っている犬や猫を触って怒られることもありません。
だから金魚だけは「触ってはいけない」という理由が分からないのです。
でも金魚からすれば触られることは捕まること、つまり死を意味するため必死で逃げます。
たとえ触らなくても逃げ回った金魚はストレスを感じてしまいます。
小さな生き物ほどストレスは大きなダメージになり、寿命を縮めることになります。
そしてさらに水槽は人間の手についた汗や油で汚れてしまいます。
水が汚れるとやっぱり金魚はストレスを感じるでしょう。
このような知識がなければ金魚を触ってはいけないことを判断できません。
大抵のことは自分の経験から答えを導くため、知らないことをいくら考えてもわかりません。
なので大人が教えるべきことは教えて、あとは子どもに決めさせましょう。
子ども自身が知っているのかどうかをまず考えましょう
失敗を見守ろう!
これは「子どもの決断を尊重する」「子どもの決断を援助する」ためのコツです。
勉強でもスポーツでも何かに挑戦するということは、成功や失敗が付きまとうことになります。
親はなるべく成功体験だけさせて前向きに色んなことに取り組んでもらいたいと考えるかもしれません。
もちろん成功体験も大切ですが、そこにこだわりすぎると親がレールを引くことになります。
失敗だって貴重な経験です。失敗なくして大きな成功はありえません。
大事なのは失敗が悪いことだというマインドを身に着けないこと。
失敗してもチャレンジし続けること。
子どものうちに失敗と友達になることで積極的にチャレンジする力がどんどん成長します。
そのためにまずは親が変わりましょう!
失敗は友達!と理解して失敗を見守りましょう。
それが「子どもの決断を尊重すること」です。
たとえ失敗するとわかっていても子どもが決断したことをさせるのがいいです。
そして失敗を続けてくじけそうになったとき、親がアドバイスをしたり一緒にやってみたりして手を差し伸べてあげればいいのです。
それが「子どもの決断を援助すること」です。
またスポーツではケガがつきものです。
親は子どもにケガなんてさせたくないです。
だから「スポーツさせない」という発想は子どものためになっているのでしょうか?
不安だったらその分、安全にスポーツできる環境を用意してあげましょう。
歩いていても転んでケガすることはあるんですから、100%の安全なんてそもそもありえません。
生きている以上、何らかのリスクは常にあります。だから安全に十分配慮した上での多少の擦り傷は見守ってあげてほしいです。
多少の擦り傷くらいで親を恨んでいる人をみたことがありません。
僕も色んな所にケガの後がありますが、親を恨んだことは一度もありません。
むしろ遊んでいるうちに転んでケガして泣いてしまっている僕のところに、走ってきて、笑いながら手当てしてくれたことを感謝しているくらいです。
大切なのは、大ケガをしないように安全策は十分に取ること、ケガをしたときにすぐに手当てをする準備をしておくことです。
それが親がすべき最大の「子どもの決断を援助すること」です。
まとめ
”自立”を育てるための3つの柱は以下の通りです。
- 子どもに決断の機会を与えること
- 子どもの決断を尊重すること
- 子どもの決断を援助すること
“自立”を育てるために意識すべき3つのコツは以下の通りです。
- 選択権を放棄しよう!
- YesやNoで答えないようにしよう!
- 失敗を見守ろう!
とにもかくにも、3つの柱を大事にしていれば必ず”自立”する力を身に着けていってくれることでしょう。
そして”自立”する力さえ育ってくれれば、あとは今後の人生についても、自分が何をすべきかも、自分で判断し行動し、誰にも邪魔されず幸せになることができます。
「子ども」を「自分自身」に置き換えることで、あなたの”自立”も果たすことができます。
大人の”自立”とはつまり「自分で決断」すること。
あなたが子どもにどうやって育てるかも、あなたが決めなければなりません。
本に従うのか、ネットの情報に従うのか、自分の感覚に従うのか、友達の話に従うのか、自分で判断して責任をもって自分で行動しなければなりません。
子育ては本に書いてあったから、友達が言ってたから、という言い訳ができない世界です。
子どものためにどうすべきかじっくり考えてください。
僕は子どもにとって、いや人にとって一番大切なことが”自立”であるという答えにたどり着きました。
だからこの記事では子どもに”自立”の力を身に着けさせるための親のサポート方法を書きました。
この記事が子育てに悩むあなたの決断を援助するひとつの方法になっていれば幸いです。
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