プログラミング教育は何となくわかるんだけど、実際にどんなことをしてるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に学校で行われたプログラミング教育の実施事例をご紹介します!
- 音楽
- 図工
- 家庭
- 総合
※教科名に関係なくプログラミング教育が行われる場面もあります。ここで取り扱うのは、あくまで上記の教科の中で行われたプログラミング教育の事例です。
※それぞれの事例の紹介の中で、内容をまとめるにあたり言い回しを変更している部分があります。
正確な詳細はリンク先の情報をご確認ください。
音楽
音楽のプログラミング教育は事例がまだ少ないですが、「リズムを作る」活動が多いようです。
ここでは大阪市立茨田東小学校での事例を取り上げます。
ビジュアル言語プログラミングソフトScratchを用いて、用意されたリズムを組み合わせてオリジナルのリズムを作る取り組みです。
『くりかえしをつかってリズムをつくろう』
・音楽作りに進んで取り組む態度を育む。
・音楽をどのように作るかについて考える態度を育む。
・「繰り返し」を用いてリズムを作ることができるようにする。
小学2年生
Scratch
リズムカードを使って楽しみながら音楽作りをする。色々なリズムと、それに合う太鼓の口唱歌の言葉がカードに示されており、反復などの音楽の仕組みを用いながらカードの組み合わせを考えることによって、オリジナルのリズムを楽しみながら作ることができる。Scratchを活用すれば、タブレット端末上で実際に音を出して確かめながらリズムを作ることが可能となるため、試行錯誤しながら必要な命令を適切に選択して組み合わせて、思い通りのリズム表現を探求していくことができる。
思い通りのリズムを作る授業やね!
実際のスクラッチは以下のような動きです。
- どんなリズムを作りたいか
- どうすれば思い通りのリズムが表現できるか
- 「繰り返す」を使えるリズムはあるか
などを考えながらリズムを作っていきます。
小学2年生向けなので、パソコンに親しむことやビジュアル言語によるプログラミングに慣れることなどの目標もあります。
図工
図工はプログラミング教育がはじまる前から、プログラミング教育に近い目的を持った教科です。
考えて、手を動かして、試行錯誤して、作品を作り上げる。
これもプログラミング教育で目指すところの「プログラミング的思考」に当たります。
今後は、これまでの図工にプログラミング教育の特徴を掛け合わせた活動が増えていくのではないでしょうか。
まだ事例は少ないですが、図工でプログラミング教育を取り入れる際にパソコンを使って色や形を考えたり、プログラミングでどのような動きを持たせるかを考える授業になっています。
ここでは板橋区立高島第五小学校での事例を取り上げます。
『プログラミングで動く工作』
・プログラミングを活用して、段ボール工作に意欲的に取り組む。
・プログラミングの機能から、形、色、特徴、構成の美しさなどを段ボールでどのように表すか考える。
小学5年生
MESH
自分が表したいことをイメージし、段ボールで作りながらMESHセンサーを付け、プログラミング体験をしながら工作する。MESHの「動きセンサー」、「明るさセンサー」、「ボタンセンサー」、 「GPIO」などのタグ類や、「音を鳴らす」、「GPIOタグに接続されたモーターを動かす」といった命令の中から、自分のイメージに合うものを選択しその効果も含めて作品を構想する。
図工で作って、プログラミングで動かすってことやね!
実際の授業の動画がこちらです!
ひとりひとりがオリジナルの作品を作り、その作品に合った動きを持たせています。
子どもたちはプログラミングで工作がもっと楽しく、面白く、深くなることが体感できたのではないでしょうか。
画面上だけでなく実際に自分で作った作品が動くのはとっても魅力的ですね!
家庭
家庭科でのプログラミング教育も、事例は少ないですが実践されています。
ここでは横浜市立港北小学校での事例を取り上げます。
『家族と⾷べる朝⾷を考えよう』
献⽴の要素や献⽴作成の⽅法を理解し、朝⾷の献⽴を考え、調理計画を⼯夫することができる。
小学6年生
Scratch
Scratchで作成された「家庭科 – 炊飯器シミュレータ」を⽤いて、ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を⾏うことにより、炊飯の⼀連の操作について理解を深めるとともに、調理計画を⼯夫する必要があることに気付くようにする。また、⾃動炊飯器の中には、温度管理等のプログラムが組み込まれていることや、⾝近な⽣活には、家電製品などにコンピュータ(プログラム)が活⽤されていることにも気付くようにする。
プログラミングならではの授業やな!
授業ではわかったことや気付いたことをグループや学級内で話し合います。
炊飯器以外も、身近なものでコンピュータが活用されていることに気づくことができますね!
総合
意外かもしれませんが、プログラミング教育の事例が最も多いのが総合です。
「プログラミング教育ポータル」の中では19もの事例が取り上げられています。
そのほとんどが企業と協力して実施しています。
ここでは町田市立町田第三小学校での事例を取り上げます。
この事例はグーグル合同会社が協力しています。
『AI×スクラッチでどんなことができるかな』
・身近な生活にAI・コンピュータが活用されていることに気付く。
・AIの特徴を理解し、AIに画像認識させ学習をさせることができる。
・自分が意図を実現するために、必要な動きの組合せを考えることができる。
・AIに興味をもち、コンピュータの働きを活用して、よりよい生活や社会づくりに生かしていこうとする。
など
小学5年生
Scratch、AIブロック
身近にAIが活用されている事を知るだけではなく、プログラミングを体験することで、興味関心が高まり、より深く理解できる。Scratchの拡張機能として画像認識をAIブロックに活用でき、児童が学習させた画像認識をScratchの中のロジックとして利用できるものである。画像認識のための作業も、事前学習に時間をかけずに利用できる。
AIの体験もできるってすごいな!
実際の体験の様子がこちら。
スクラッチだけでなくAIや画像認識を使うことで、児童の興味関心が大いに高まったと言います。
また自分が読み込ませたい物を画像認識させる活動があることによって、主体的にコンピュータに働きかけている感覚をもちやすいことも、興味関心が高まる一つの要因と認識しているようです。
これは僕もやりたい!
まとめ
この記事では「音楽・図工・家庭・総合のプログラミング教育実施事例」をご紹介しました。
プログラミング教育ははじまったばかりですが、ますます学びが充実していきそうな感覚がしますね!
どんどん取り組んでガンガン成長していきましょう!!