「どうせプログラミング教育をやるなら、いきなりプログラミング言語をやる方がいい」という声があります。
しかし、何も知らずにプログラミング言語を学ばせようとしているのであれば、かなり危険です!
必ずこの記事を全て読んだ上で取り組んでください。
またここで説明するプログラミング言語はあくまでコーディングのための言語です。
スクラッチのようなビジュアルプログラミング言語ではありません!
子どもにプログラミングを学ばせるなら、はじめはビジュアルプログラミング言語にしましょう。
- プログラミング教育を行いたい
- 子どもにプログラミング言語を学ばせたい
- どうせ学ばせるならスクラッチより言語がいい
子どもにプログラミング言語を学ばせるべきではない理由
いきなりプログラミング言語を勉強しようとするのは意識的にはとても素晴らしいことです。しかし、段階的にいかないとすぐにつまづいてしまうかもしれません。
子どもにプログラミング言語を学ばせるべきではない5つの理由を知り、つまづきポイントを事前に確認しておきましょう!
プログラミング言語を学ばせるべきではない5つの理由
- 理由1:パソコンに慣れていない
- 理由2:英語が分からない
- 理由3:親のサポートが必要
- 理由4:おもしろくない
- 理由5:将来使えるかわからない
読んでみて問題なかったら、言語を学んでもOKってことやな!
理由1:パソコンに慣れていない
パソコン自体の操作は、子どもでも慣れれば簡単にできます。
子どもがパソコンに慣れていないようなら、まずパソコンに慣れるところから始めましょう。
パソコンで問題になりそうなことは次の通りです。
- タイピング
- マウス操作
- パソコンの状態
言うまでもなく、タイピングとマウス操作は必須ですよね。
そんなん簡単やん!
はじめての子どもは少し時間がかかるよ!
人差し指でローマ字を探しながらプログラミングすると、1行書くのに何分かかるでしょうか。
いつスペースを押せばいいのか、いつシフトを押せばいいのか、はじめは一つひとつ確認しながら打つしかありません。
ホームポジションに手を置いて、タイピングできるくらいになってからでなければ、プログラミングの勉強にならないです。
マウス操作においても、どの場所をクリックするのか、ダブルクリックなのか、右クリックなのか、ドラッグアンドドロップなのか。
最初は持ち方も分からない子が多いでしょう。
プログラミング教室ではビジュアルプログラミング言語を使っていますが、タイピングやマウス操作以外にもパソコンの状態が理解できずつまづく子もたくさんいます。
小学校の高学年でも「今どのウィンドウがアクティブになっているか」が分からない子はたくさんいるのです。
また、パソコンの処理を待てない子もたくさんいます。
反応が遅いからと何回もクリックしてしまい、処理が実行されたのか止まっているのかが分からなくなることもあります。
パソコンのスペックや使うソフトによってはフリーズすることもあるかもしれません。
また、プログラミング言語では全角は基本的に使いませんが、誤って全角のスペースを入れてしまうことが特に初心者のうちはよくあります。
インデントを揃えるため行の最初にスペースを入れますが、全角か半角かは見た目では分かりません。
パソコンは「見た目が同じでもエラーになる」ということも理解しておくのが望ましいでしょう。
言語を自分で書くとなるとフォルダの階層構造も理解する必要があるね!
パソコンのことを知るための本もあるので、まずはインプットをしてみましょう!
理由2:英語が分からない
英語が分からないと、次のような問題に直面します。
- 英語がわからないとただ呪文を真似するだけになる
- エラーのときに間違った文字を探すのが大変
- 英単語が分からないと何のコードを書いているか理解できない
- プログラミングの構文が理解できない
- 構文を理解しないと他の言語に活かせない
ローマ字も分からない状態であれば、プログラミングの勉強どころではありません。
コードを真似して書くことはできますが、コードの意味や構文を理解しないと意味がありません。
英単語の学習をするつもりで、新しい英語をガンガン覚えられる状態にしておくのが望ましいでしょう。
記号も多く出てくるので、英語とは違うプログラミング言語に必要な文字として捉える力も必要です。
プログラミング言語によく出てくる記号
- ()
- {}
- ”
- ’
- ;
- :
- ,
- .
英語の勉強をパソコンでする場合、先にローマ字と簡単な単語を理解してからにしましょう。
ローマ字を理解しておくと、英語とタイピングを一緒に練習することができます。
英語とプログラミングを合わせて学べるオンラインスクールもありますよ!
>>オンラインで英語とプログラミングを同時に学ぶ! D-SCHOOLオンライン
理由3:親のサポートが必要
ビジュアルプログラミング言語は子どもだけで学べるツールもありますが、プログラミング言語そのものを子どもだけで学べる教材はありません。
中学生くらいからであればProgateのように一人で学んでいけるツールがあるので、それを利用すれば可能かもしれません。
プロゲートは初心者向けのとても分かりやすいツールですが、大人向けに作られているため漢字のフリガナがありません。
説明も子ども向けではありません。
ちなみに、プロゲートのJavaScriptコースで一番最初に学ぶコードは次のようなコードです。
このコードの説明がつぎのとおりです。
この後、ダブルクォーテーションやセミコロンの説明があります。
その次は「変数と定数」「条件分岐(真偽, if, else if, switch)」に進んでいきます。
小学生がひとりで学ぶのは難しいことを、ご理解いただけたでしょうか。
「変数」や「条件分岐」の概念がわかっていないのにコードの書き方まで複雑となると、学習を進めるのは難しいと思います。
ビジュアルプログラミング言語でも「変数」や「条件分岐」や「繰り返し」を扱いますが、コードの書き方は簡単なのでプログラミングの構造理解のためだけに頭を使えます。
プロゲートのようなツールは初めてのプログラミング言語の学習にオススメですが、小学生が使うなら会員登録から勉強まで全て親がサポートしなければなりません。
つまり、親もプログラミング言語を学ばないといけないということです。
時間がなくて子どもひとりで学習してほしい場合は、段階を踏む必要があるでしょう。
理由4:おもしろくない
ここが一番のポイントでしょう。
パソコンに慣れていないし、英語もわからない。
文字を必死に打って初めて出来上がる作品は「ようこそ!」と表示されるだけ。
これ楽しいですか?
さっきのconsole.log()は正直つまらんかった。
子どもが「やりたい!」といってはじめたことならいいのですが、親が「やってごらん」といってやらせたことなら「つまらない」といわれても仕方ないでしょう。
はじめてのプログラミングで「プログラミング=おもしろくない」というレッテルを貼られてしまったら、今後の取り組みが難しくなってしまうのではないでしょうか。
それが一番心配です。
「おもしろい」まではいかなくとも、サクサク進められるようになっていないと、やりたくなくなってしまいますよね。
まずは英語やタイピングを練習したり、ビジュアルプログラミング言語で構文理解をしておいたりするといいでしょう。
子どもは楽しいことなら自分から取り組む力があります。
プログラミングの第一歩目は、楽しんで取り組んでもらいたいですね!
キャラクターが動くビジュアルプログラミング言語が世界中で人気なのは「楽しい!」という理由が一番でしょうか。
スクラッチやマイクラを使ったプログラミングで、まずは子どもたちに楽しく学んでもらいましょう!
理由5:将来使えるかわからない
一生懸命勉強したのに、その言語が将来使い物にならなくなっていたとしたら、悲しいですよね。
プログラミングを学習するときは、他の言語でも活かせるようにプログラミング的思考や構文理解が最も重要になります。
10年で人気のプログラミング言語がガラッと変わる世界なので、言語の習得にこだわるのはやめましょう。
例えば、2010年に人気の言語で7位だったPythonや9位だったJavaScriptは、2020年で1位と3位になっています。
逆に2010年で12位だったObjective-Cは2020年では「学ばなくていいプログラミング言語ランキング」で3位になってしまいました。
このことについては、以下の記事でも触れています。
プログラミング言語の学習がオススメの子
ここまで、プログラミング言語の学習をすべきでない理由を説明してきました。
つまり、この5つの理由をクリアできれば「プログラミング言語の学習をするべき」だと言えます。
プログラミング言語の学習がオススメの子は、以下に該当する子です。
- タイピングができるようになってきた
- 英語が分かるようになってきた
- 分からないことを自分で検索できる
- ビジュアルプログラミング言語で構文の理解ができる
ここまでのレベルに達していたら年齢なんて関係ありません!
ぜひプログラミング言語の学習に取り掛かってください!
ある程度一人でプログラミング言語の学習ができるようになれば、あとは経験を増やしていくだけです。
やればやるだけ伸びていきますよ!
早くプログラミング言語を学習させるには
子どもにはじめてプログラミングを学ばせたいと考えている方は、まずはビジュアルプログラミング言語から取り掛かりましょう!
プログラミング学習としてのオススメは次の2つです!
どちらも無料で学習することができます。
プログラミングゼミについては、こちらの記事でも紹介しています。
手っ取り早く学ばせたいならスクールに通うのがオススメです。
近くにプログラミングスクールがない方はオンライン学習サービスを使うのがいいでしょう。
スクラッチのオンラインプログラミング学習のオススメは『Tech Kids Online Coaching』です。
お子様がマイクラ好きなら『D-SCHOOLオンライン』がオススメです!
まとめ
この記事では『子どもにプログラミング言語を学ばせるべきではない5つの理由』をご紹介しました。
まずは子どもに「プログラミング=楽しい」と思ってもらえるように上手く誘導してあげましょう!
中学生からプログラミング言語を学べるよう少しずつパソコンに触れさせるなど、長い目で計画を立てて学習していってくださいね!
プログラミング言語を学ばせるべきではない5つの理由
- 理由1:パソコンに慣れていない
- 理由2:英語が分からない
- 理由3:親のサポートが必要
- 理由4:おもしろくない
- 理由5:将来使えるかわからない
- タイピングができるようになってきた
- 英語が分かるようになってきた
- 分からないことを自分で検索できる
- ビジュアルプログラミング言語で構文の理解ができる
焦らずゆっくり学んでいきましょう!